とある医学生のつぶやき

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顔にできる皮膚がん!

以前、日本人は紫外線が原因となる「光線過敏症」になりやすいという記事を書きました。その時に「顔にできやすい皮膚癌」について触れましたので、今回は少し詳しく書いていこうと思います。

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皮膚の悪性腫瘍(いわゆる癌)にも色々な種類があり、紫外線が原因となるものが多いです。そして基底細胞癌というものは顔の正中線上(鼻やその周囲、目の近く)にできやすいと言われています。見た目は、黒いボコッとしたでき物(結節)が見られるものが多く、その見た目から病院に来院される方が多いです。

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かなり大きく成長しますがほかの場所に転移することはまれで、これが原因で死ぬことはあまりないでしょう。ただし、長期間放置し続けると、どんどん癌が深くなり骨の近くまで進むこともあります。

治療は放射線という方法も無くはないですが、手術でとってしまうというのが基本になります。

以上が基底細胞癌の主な特徴になります。

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さて、医療を行う上で、生命維持(生きるかどうか)と同等レベルで我々医療従事者が気にするものがあります。それは「生活のQOL」です。

基底細胞癌は先程書いた通り、それ自体が原因で死ぬほど悪性度が高いものではありません。しかし、顔の真ん中付近に黒ぐろとしたでき物ができるというのは、美容的な面で男女ともに気になるのではないでしょうか?

 

では基底細胞癌にならないためにはどのようなことに気をつければ良いのか?

1つは普段から紫外線対策を怠らないことでしょう。基底細胞癌以外にも紫外線が原因となる皮膚疾患は山ほどあります。

もう1つは顔に黒色のでき物ができた時には出来るだけ早く病院に来院することです。

 

僕は知らなかったのですが調べてみると、過去に基底細胞癌を発症されている芸能人がいらっしゃいました。キャシー中島さんという方です。

異変に気が付いた頃のことを以下のように述べられています。

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「小さな赤い点でした。なんだろうニキビかなと思っているとだんだん大きくなり、半年後ぐらいには小さなイボのようになり、グチュっとした感じになり、かさぶたができては剥がれ、またできて剥がれを繰り返し皮膚にならずグチュグチュとしていました。これは悪いものかもしれないっと思ったのは去年の11月頃でした」

 

やはり病変が顔にできるので異変には早く気づくようですね。ただし、すぐには癌を疑わなかったそうです。憶測ですがおそらく「まさか癌じゃないだろう」という深部心理が働いていたのではないでしょうか。

キャシー中島さんも初めは病院を行くことをためらっておられましたが、娘の勝野雅奈恵さんに背中を押され病院を受診されたそうです。

この事からも分かるように、早く病院に来院することは非常に大切です。特に進行すればするほど、顔の再建(癌をとった部分を放ったらかしにせず元通りの皮膚に近い状態にすること)がどうしても難しくなります。皮膚の欠損は縫い合わせたり、植皮術といって胸の皮膚を移植したり、皮膚全体をずらして治す皮弁術を行って再建します。場合によっては大きな手術を必要とすることもあります。

見えやすいところに大きくできやすいので気づきやすいかとは思いますので、早めに皮膚科を受診することが大切です。

 

引用 https://www.gifu-np.co.jp/tokusyu/iryo/hdr/20180305-19118.html

引用 https://www.oricon.co.jp/news/2072216/full/