とある医学生のつぶやき

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お茶を飲めば心筋梗塞や脳卒中を予防できる?

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今日は日曜日。せっかくの休みですが特に用事もないので、一日の大半をパソコンの前でカタカタカタ・・・笑
何の気なしにネットサーフィンしていますと、yahooニュースに
「血管にいい飲み物は「お茶」 心筋梗塞脳卒中のリスク減も」
という記事を見つけました。ちょっと記事を抜粋しますと

 

 

「緑茶に含まれるカテキンには血管を拡張し、血流をよくする作用があります。研究報告によると、緑茶を1日1~3杯飲む人は、飲まない人に比べて心筋梗塞脳卒中のリスクが明らかに低い」

ただし、カテキンは80℃以上の熱を帯びると効能が薄れてしまう。沸騰したお湯で緑茶を入れるのは避けたい。一方、ルイボスティーはカフェインが入っていないので夜に飲んでも大丈夫。管理栄養士で料理家の金丸絵里加さんは「リラックスタイムにぜひ」とすすめる。
「ノンカフェインのうえ、美容にもいい。血管の9割を占めるといわれる毛細血管は年齢とともに減っていき、その結果、シミやしわ、抜け毛など老化の原因になる。しかし、ルイボスティーに含まれる成分は、Tie2(タイツー)という毛細血管の働きを活発にする物質を活性化させ、老けさせません。女性ならば飲んで損はありません」

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興味深い話ですね。
医学って大きく分けると予防医学と治療の二つに分けられるのですが、特に病院にいると治療ばかりに目が行ってしまいがちです。なぜなら病院には病気になった人しか来ませんから。
ですが予防医学というのは本来とても大切なこと。発症してしまうと病院に行かなきゃいけない、薬も飲まなきゃいけない、後遺症が残るかもしれないでいいことなしです。
お茶を飲むだけで予防できるならお手軽ですよね。


心筋梗塞脳卒中は血管系の病気です。血の塊が心臓や脳の細い血管に詰まることで、その先にある細胞が虚血を起こし働かなくなってしまうのです。今の時代、心筋梗塞脳卒中で死ぬことは少なくなってきましたが、それでも重大な後遺症を残すことが多い疾患です。体の右半分が動かなくなったり…。発症してからでは遅いわけです。
ではどうやって予防するのか。もっとも簡単な方法は抗血栓薬を飲むことです。抗血栓薬とは血を固まらなくする薬です。

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ただ、医療従事者を目指す僕が言うのもなんですけど、「薬飲めば万事解決!」ってのはちょっと変な気もします。
「昔はいかに血を固めるかが重要だったのに、今の時代わざわざ薬で血が固まらないようにしてるよね」
このあいだ学校で教授がおっしゃていた話です。
血液の凝固系(血を固める仕組み)はケガをしたときに早く治癒するために重要な機能。マンモスを狩っていた原始時代や刀が大活躍していた戦国時代には、凝固系はなくてはならない存在だったのです。
それがほとんどケガをしなくなった現代、凝固系は心筋梗塞脳卒中などを引き起こす原因となっている。本来生き残るために備わっていた機能がとんだ足かせとなっているわけです。
ただ、それを薬で押さえつけるってのもどうなんでしょう?本当にそうせざるを得ないなら飲むべきですが、まずは薬に頼らなくてもいいように気を付けたいですよね。

 引用 

血管にいい飲み物は「お茶」 心筋梗塞や脳卒中のリスク減も(NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース